2012年4月5日木曜日

新年、“異文化”の中で…… | 吉村峰子のアフリカに遊びにおいで! | カフェブロ


新年のご挨拶をするには、ちょっと時間が経ってしまいました。ごめんなさい。

皆様、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

アフリカより、また旅先のいろいろなところから、皆様にいろいろな話題でお話しをさせていただく機会をこの cafeglobe のサイトでさせていただくようになってから、早くも3年半が過ぎようとしています。

「毎週、よく書くことがありますね、あんなに長い記事!」

と半分呆れられていることは重々承知しているのですが、どうも、どこを見ても、何をしても、私には興味深いことが多いのです。特にアフリカに暮らしているからでしょうか、文化的、感覚的にものすごく異なる価値観を有する人々に出会う機会も多いのです。

「ああ、こんな考え方もあるのか」
「こんな生き方をもっとたくさんの人に知って欲しい」
「こんなこと想像もしなかった!」

という、"驚き"や心を動かされる"瞬間"を多くの cafeglobe のユーザーの皆さんと共有できたら、書き手としてこれに勝る喜びはありません。

そして、皆さんからのコメントや感想のメールが何よりの励みになります。どうぞ、お気軽にメールでもこのページのコメント欄にでも、ご意見をお寄せくださいね。「こんな記事が読みたい」と言ったリクエストも大歓迎です。

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あなたのシドニーで退屈したときに何を行うには

私にとって、今回の米国訪問で極めて印象的だったのが、旅の途中でのショウコの米国の社会への感想でした。

私の出身大学を訪問して、いろいろ心を動かされたようです。

「でも、アメリカに留学に来たら、こっちの方が、居心地がよくて住みついてしまうかもしれない」

私は、ほお〜、と思い、その理由を聞いてみました。

「だってね、ここでは日本人でいることでじろじろとか興味の目で見られることがないんだもん」

どうやら、彼女は南アの社会で、何がなんでも目立ってしまう自分の存在が時折面倒くさくなるようなのです。普段、あんなに大勢の友達に囲まれて楽しくしている癖に、彼女のこの反応はあ� �面意外でした。

「でも、あなたはいつも友達と楽しくやっているじゃない」と言うと、

「友達と一緒にいる時はまったく問題ないんだって。嫌なのは、知らない人たちにじろじろ見られることなんだよ」

と言うことでした。

「あのね、アメリカにいると、日本人でいることがちっとも目立つことじゃないじゃない」

実は、これはオレゴン州、ポートランドにいたからなのですが、まあ、米国の西海岸のちょっとした街であれば、確かに"日本人"、"アジア人"というだけで目立ったりはしませんね。これはロンドンでも同じことでした。


ポートランドの友人の誕生日祝いの席で
確かに、アジア系が多いです。


大西洋で700の島は何ですか?

ロンドンに住む友人一家と。彼らの子どももまたTKC(Third Culture Kids)

でも、ダーバンでも、中国人は多くいるので、そうアジア人の風貌が極端に人目を引くとは思えないのです。それに、一般の南アの人にとって、中国人と日本人を見分けるのはほぼ不可能だと思うのです。

確かにダーバンの日本人はせいぜい大人子ども合わせて200名ほどの小さなコミュニティです。でも、中国人、台湾人の人口と合わせれば、そう極端に目立つ存在ではない、と私は思っています。

でも、彼女には彼女の意見があるわけで、若い女性として確かに頭の先からつま先までじろじろ見られるのは確かに不愉快と言えば不愉快なわけで……。

そろそろお年頃になってきた我が家の子どもたち。その二人の結婚への願望もなかなかおもしろいものがあります。

息子カンジは以前にも書きましたが 、トンカツを作ってくれる女性がご希望のようで、でも、実は"トンカツ"というのは"日本文化"の象徴のようです。

彼の場合は、どうも、日本語で何らかの意思疎通のできる人がご希望のようです。

ショウコは、これはまた兄とはちょっと違う表現ながらもこんなことを言っています。

「私はね、同じ場所に住んだことしかない人はいやなの。私やカンジのように、生まれた場所から離れて、苦労して新しい言葉や住み方を学んだことがある人がいい」

つまり、彼女の言っているのは、Third Culture Kids のことなのです。


死んだ人の体に権限を持っている人

Third Culture Kids とは、まさに彼女の言葉通り、親の都合によって、生まれ故郷を離れ、まったくの異文化で新しい言葉や生活様式を否応なしに受け入れざるを得なかった子どもたちを指します。

いま、米国の教育界ではこういったThird Culture Kidsの存在を肯定的に受け入れよう、彼らの個性を生かすことがこれからの社会を支える、と言った思想が大きくなってきています。

実は、私の出身大学である、オレゴン州の Lewis and Clark College は、大学として積極的に彼らを受け入れるプログラムを展開しています。

Third Culture Kidsの面白い所は、出身国が違っても、連れて行かれた国が違っても、Third Culture Kids同士であれば、おもしろいようにお互いを理解でき合える特性があることです。

彼らが異文化の中で心細い思いをしながら、いかに苦労して言葉を習い、文化を受け入れ、といった共通のプロセスを経験しているからこその"理解度"の深さなのでしょう。

今回の旅行で、図らずも英国では私と夫の友人だった家庭を訪問することで、30歳代のThird Culture Kidsたちにも出会いました。

ショウコ、カンジの喜んだこと、「話がものすごくおもしろかった!」

これから、パートナーを見つける年齢に入っていく彼らを見ていると、どんな人たちを連れてくるのかがとっても楽しみです。


彼らの生活を通して見えてくるものも丁寧に書いていきたいと思っています。だって、彼らの反応は、夫や私のように、自らの意思で異文化での生活を選んだ人間たちとは異なるものがあるからです。

そうだからこその葛藤ももちろんそこにはあるわけです。だからこそ、その彼らの目で見るアフリカでの暮らしも興味深いのです。

ある読者の方から、

「吉村家のことを小説を読むように興味深く、はらはら、わくわくしながら読ませてもらっています」

というお手紙をいただきとっても嬉しかったです。

皆様、どうぞ、今年もよろしくお願いします。



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